動脈硬化...先生、私、心臓はなんともありませんよ。胸が痛くなったこともなければ、息切れがするようなこともありません。動脈硬化って心臓の病気ですよね?私が痛いのは、足なんですけど...。
ひと口に動脈硬化といっても、症状が心臓に現れれば狭心症や心筋梗塞、弁膜症と診断されますが、閉塞性動脈硬化症の場合は、足に症状が出ることがあるんです。高尾さんのケースはまさしくそれが疑われますね。原因は、生活習慣病の1つである高脂血症や喫煙などです。
高脂血症とおっしゃいますが、とりわけ大食いをするわけでもなく食べる量は昔と変わりません。それに脂っこいものを好んで食べるというわけでもありません。
若いうちは筋肉量も多く、基礎代謝量も大きいのであまり脂肪になることはありません。でも、50歳を過ぎても同じ量を食べ、運動もせずにいたら脂肪はどんどん蓄積されていきます。こうした生活を長年続けていれば当然ながら高脂血症にもなりやすく、血管内の動脈硬化も進んでいきます 。
ということは、タバコを吸わず、食事の量をコントロールして、日常的に運動をしていたら高脂血症にならなかったし、動脈硬化を疑われることもなかったんですね?
正確にはそうとも言い切れないんです。そもそも男性であるということと、50歳を過ぎた中高年であるということだけで、動脈硬化を引き起こす危険因子をすでに2つ持っていることになるんです。ただおっしゃるように、生活習慣病を予防する心がけは中高年の方が健康的に働く上で大きくプラ スに作用することは間違いありません。それは非常に大事なことです。