視覚と脳、どんな関係があるのでしょう?
眼は脳の一部と言われており、眼が単体で機能するわけではなく、眼に映ったものが脳で判断されて「理解できる」ということになるのです。まず、それを体感していただくために簡単なテストをしてみたいと思います。
以下の画像には4つのアルファベットが書かれています。何と書かれているでしょう?瞬間的に分かる人もいれば、どれだけ見ても分からない人もいます。
メンタルはココロの問題と言われますが?
メンタルの強い・弱いは、ココロの問題ではなく、脳の使い方の問題です。たとえば前頭前野は、人間らしさを司る重要な脳の領域で、感情をコントロールしたり、状況に合わせて判断したり、意思決定を行います。前頭前野が上手く機能していない人は、感情をコントロールしづらく、グルグル思考からなかなか抜け出せません。つまり、メンタルをコントロールするには、前頭前野を活性化させて"情報処理"をしなくてはなりません。起こった出来事に対して、多角的な見方をして、情報収集を行い、それを速やかに分析して対処する。"ココロの問題"と言われるものは、気持ちの持ちよう以前に前頭前野を活性化させることが大切です。
前頭前野を働かせるためには、しっかり目を動かし多様な情報をキャッチすることが基本です。ところが近年は、子どものうちからスマートフォンの小さな画面で動画を観たり、ゲームをしたりすることが日常化しているため、前頭前野が未発達なまま大人になる人が増えています。小さい頃に外遊びをして視野を広げていた人と、スマートフォンやコンパクトゲーム機に没頭していた人とでは情報処理能力に差がつき、メンタルの強さも違ってきます。それは中高年も同様で、一日中パソコンを見ている仕事だったり、スマートフォンが手離せない人は、次第に前頭前野の働きが悪くなります。それを改善するには「眼の筋トレ」が必要。そのプラクティスは後ほどご紹介します。
ネガティブな性格も変えられますか?
仕事に自信が持てない。積極的になれない。人から言われたことをいつまでもくよくよ考えてしまう。これら、人の"不快=ネガティブ"な状態に共通しているのは、「わからない」ということです。まさしく冒頭で紹介した
「LIFE」文字が判別できずモヤモヤしている状態と一緒です。
つまり、今の"不快"な状態から抜け出すためのヒント(情報)を持っていないがために、「自分がなぜこうした状況になっているかわからない」「次の一手がわからない」となるのです。この「わからない」状態を放っておくと、いつまでたっても"快=ポジティブ"は生まれません。だからこそ人は、常に新しい情報を更新し、いかなる状況に接しても対応できるよう思考の引き出しを増やしておくことが大切なのです。
人間は五感で情報をインプットしますが、その8割は眼を媒介とします。したがって、眼の働きが良い人は視野が広く、たくさんの情報を瞬時にキャッチします。つまりメンタルが強い人、ポジティブに見える人というのは、
"不快"な状態からいち早く脱出できるよう、活発に前頭前野が働き、情報を処理する能力に長けた人のことをいいます。当然ながら人間である以上、誰でも"不快"は感じるわけで脳構造の基本条件は同じです。したがって、自分の性格を変えようと考えるだけではなく、広い視野をもって小さな情報も見逃さぬよう"眼を鍛える"努力をすることが肝心です。
加齢も視覚機能の低下につながりますか?
毎日たった5分のプラクティス!
メンタルビジョントレーニング・基礎編
1.追従性眼球運動(目標5往復×2セット)
視点を1点(親指)に固定したまま、首を動かします。眼が視標から離れていないかを確認しながら行ってください。左右・上下・斜めに6本の筋肉をストレッチするイメージです。
①左右に動かす
②上下に動かす
③斜めに動かす