気づいていますか?普段の姿勢
姿勢の良し悪しは"呼吸の質"にも関係します。呼吸を司る横隔膜は肋骨の中心部分(みぞおちあたり)に位置しているため、姿勢が悪いと横隔膜を圧迫して呼吸が浅くなってしまいます。こうした姿勢を続けていると、肺機能が低下して血行不良を招き、肩や首筋のこり、腰痛などの原因にも。さらにはストレスを増加させることにもつながります。
大げさに見える写真ですが決してそんなことはありません。皆さんのオフィスを見渡してみてください。パソコンなどに集中している人の中には、知らぬ間にこうした姿勢になっている方が案外多いはず。人に与える印象も良くありません。椅子ヨガの基本は、この姿勢を改善することがスタートです。
ヨガとストレッチ、どう違うの?
椅子に浅く腰かけ背筋を伸ばし両足を閉じます。その姿勢のままで腰を軸として無理のないところまでひねります。ここで細く長く、ゆっくりと鼻呼吸を5回ほど繰り返します。これを椅子ヨガでは「ねじりのポーズ」と言い、背中の張りの改善や内臓機能の活性化に効果的なアプローチが行えます。
血行を良くして"カラダをほぐす"という意味ではストレッチもヨガも同じ効果が期待できます。むしろ意識的に大きな負荷がかかるストレッチをした方がカラダをほぐす即効性は高い場合もあります。ただしそこには、ヨガならではの呼吸法に基づく"ココロの安定"はさほど大きく期待できません。
ねじりのポーズでも、呼吸が無理なくできるところまででひねる動作をやめます。つまり肝心なのはポーズではなく、その姿勢で正しい呼吸を繰り返して副交感神経優位(リラックス)の状態をつくり、精神面からカラダの健康にアプローチすること。ここがヨガとストレッチとの本質的な違いです。
カラダが硬い人は、椅子ヨガは無理?
長時間のデスクワークは、骨盤まわりの血液循環を滞らせ、背中や腰、太ももやお尻などが凝り固まる原因になります。この状態を改善するのが「コアラのポーズ」です。
写真はポーズに入る基本形。ここからゆっくり前に上体を倒していきます。無理なく呼吸ができるところで細く長い鼻呼吸を5回。上体をゆっくり起こして終了です。これを左右の足交互に行います。
さて、こうしたポーズは中高年の方にとってはキツイと感じる方も少なくないと思います。また年齢を問わず「カラダが硬くて上体を前に倒すのはとても無理!」という方もいらっしゃるでしょう。そうした方は、写真のままの状態で鼻呼吸を繰り返すだけで結構です。
それぞれのポーズには、それぞれの効果を助長する意味があり、正しく行うに越したことはありません。しかし、繰り返しお伝えしてきた通り、ヨガは呼吸が基本。呼吸が意識できるようになれば基本のポーズをとっているだけでヨガ本来の効果が期待できるもの。それが椅子ヨガの魅力です。