働く人の健康ライフ2 働く人の健康ライフ2

働く人の健康ライフ2

Vol.2椅子ヨガで呼吸を整え、カラダとココロの健康を

日常生活の中で最も大事なものは呼吸です。呼吸が浅くなると、カラダの内側の酸素の巡りが悪くなります。酸素の巡りが悪くなれば、脳も活性化されませんし、視野が狭くなります。その結果、精神的にイライラしたり緊張しやすくなるなどして、仕事にも悪影響を及ぼすことは間違いありません。

松下幸之助やスティーブ・ジョブズといったビジネスの巨人たちも瞑想に取組み"細く長い呼吸"を実践していたのは有名な話です。もちろん呼吸法を真似たからといって、稀代の天才経営者と同じスキルでビジネスを展開できるわけではありません。
ただ、彼らと同じ健康術を追体験してみれば、カラダとココロの健康を維持できるだけでなく、新たな気づきがあるかもしれません。

そこで今回ご紹介するのは、オフィスで簡単にできる『椅子ヨガ』の基礎編。ヨガインストラクター紗希子さんにアドバイスをいただきました。
Q.

気づいていますか?普段の姿勢

姿勢の良し悪しは"呼吸の質"にも関係します。呼吸を司る横隔膜は肋骨の中心部分(みぞおちあたり)に位置しているため、姿勢が悪いと横隔膜を圧迫して呼吸が浅くなってしまいます。こうした姿勢を続けていると、肺機能が低下して血行不良を招き、肩や首筋のこり、腰痛などの原因にも。さらにはストレスを増加させることにもつながります。
大げさに見える写真ですが決してそんなことはありません。皆さんのオフィスを見渡してみてください。パソコンなどに集中している人の中には、知らぬ間にこうした姿勢になっている方が案外多いはず。人に与える印象も良くありません。椅子ヨガの基本は、この姿勢を改善することがスタートです。

右の写真のように姿勢を正すことで、横隔膜が開いて呼吸がしやすくなり、脳に新鮮な酸素が運ばれます。見た目の印象も若々しく感じられます。ただ、こうした姿勢をキープするには腹筋や体幹を鍛えなくてはなりません。そこでまず「姿勢が悪くなっているな」と気づいた時に、意識的に姿勢を正すだけでも呼吸の質は格段に向上します。
この状態でぜひやっていただきたいのが瞑想です。瞑想といっても大げさなものではありません。このままの姿勢で目をつむり、何も考えず細く長く、ゆっくりと鼻呼吸を5回ほど繰り返すだけ。目を開けた時には穏やかな気持ちになっているはずです。とくにお勧めしたいのが多忙な時や緊張を強いられる時。あるアパレルメーカーの経営者は、株主総会の直前にこの瞑想を実践するのがルーティーンになっているそうです。
Q.

ヨガとストレッチ、どう違うの?

椅子に浅く腰かけ背筋を伸ばし両足を閉じます。その姿勢のままで腰を軸として無理のないところまでひねります。ここで細く長く、ゆっくりと鼻呼吸を5回ほど繰り返します。これを椅子ヨガでは「ねじりのポーズ」と言い、背中の張りの改善や内臓機能の活性化に効果的なアプローチが行えます。

血行を良くして"カラダをほぐす"という意味ではストレッチもヨガも同じ効果が期待できます。むしろ意識的に大きな負荷がかかるストレッチをした方がカラダをほぐす即効性は高い場合もあります。ただしそこには、ヨガならではの呼吸法に基づく"ココロの安定"はさほど大きく期待できません。

ねじりのポーズでも、呼吸が無理なくできるところまででひねる動作をやめます。つまり肝心なのはポーズではなく、その姿勢で正しい呼吸を繰り返して副交感神経優位(リラックス)の状態をつくり、精神面からカラダの健康にアプローチすること。ここがヨガとストレッチとの本質的な違いです。

Q.

カラダが硬い人は、椅子ヨガは無理?

長時間のデスクワークは、骨盤まわりの血液循環を滞らせ、背中や腰、太ももやお尻などが凝り固まる原因になります。この状態を改善するのが「コアラのポーズ」です。
写真はポーズに入る基本形。ここからゆっくり前に上体を倒していきます。無理なく呼吸ができるところで細く長い鼻呼吸を5回。上体をゆっくり起こして終了です。これを左右の足交互に行います。

さて、こうしたポーズは中高年の方にとってはキツイと感じる方も少なくないと思います。また年齢を問わず「カラダが硬くて上体を前に倒すのはとても無理!」という方もいらっしゃるでしょう。そうした方は、写真のままの状態で鼻呼吸を繰り返すだけで結構です。

それぞれのポーズには、それぞれの効果を助長する意味があり、正しく行うに越したことはありません。しかし、繰り返しお伝えしてきた通り、ヨガは呼吸が基本。呼吸が意識できるようになれば基本のポーズをとっているだけでヨガ本来の効果が期待できるもの。それが椅子ヨガの魅力です。

Pointヨガインストラクター紗希子さんからの
メッセージ

ここ数年、フィットネスジムのヨガコースやヨガ教室に通う男性が増えています。とくに中高年の現役ビジネスマンの姿が目立ちます。そうした方々の体験理由のほとんどはストレス対策。こうしたことから、誰でも気軽に取り組める『椅子ヨガ』の普及が進んでいます。ヨガというと不思議なポーズをとったり、柔軟性が求められたり、あるいは精神世界を前提に語られがちですが、それらはすべて誤解です。大事なことはただ1つ。呼吸が導く心の平穏に他なりません。この記事が、その本質を知っていただける一助となって、皆さんの健康とビジネスライフが向上すれば幸いです。

ヨガインストラクター紗希子さん
全米ヨガアライアンス認定指導者資格(RYT200)
チェアヨガ(椅子ヨガ)指導者資格
yoga-ed(キッズヨガ)認定指導者資格

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■記事公開日:2017/03/24 ■記事取材日: 2017/02/21 *記事内容は取材当日の情報です
▼構成=編集部 ▼文=編集部ライター・吉村高廣 ▼写真提供=紗希子さん ▼取材協力=西国分寺クラブユニバース:http://www.clubuniverse.jp/

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