日本を代表するエンターテイメント企業として世界を魅了し続ける株式会社スクウェア・エニックス。
同社は2024年10月、新たな創造の拠点として『渋谷サクラステージ SHIBUYAタワー』にオフィスを開設しました。新オフィスのコンセプトは、『一人ひとりのもつ想像力を対面・共有によって爆発させるスクエニライフの舞台:Creative Work Office』。
デジタル化が進む今、あえてリアルな場での対話を重視し、アイデアを膨らませ、磨き上げる場として設計されています。多様な文化が交差する渋谷で、いかに「スクエニらしさ」を体現し、新たな感動をカタチにしていくか・・・プロジェクトを牽引した総務部の方へのインタビューを通じ、新オフィスに込めた想いを伺いました。

Creativeを支える基盤を刷新。すべては、新たな傑作のために。
最高の開発環境にアップグレード
新オフィスの開設は新中期経営計画に掲げる、社員の「クリエイティビティ」をサポートする魅力的なオフィス環境整備の一環として実施されました。
具体的な実行施策として、年々高度化するゲーム開発に対応するため、ネットワークをはじめとする設備の刷新を行いました。
また、コロナ禍を経た「新しい働き方」への対応も必要だと考え、単なる設備更新ではなく、次世代のワークプレイスそのものを再定義しました。
創造力を爆発させるファクトリー
当社はゲーム、出版、グッズなど多角的な事業を展開しており、各現場で求められる環境は異なります。これらの多様なクリエイティブをいかに支えるかが、オフィス設計の出発点でした。
また、コロナ禍ではリモートワークが一般化し、オフィスの存在意義が問われる社会情勢でしたが、在宅勤務で完結する業務がある一方、高性能なPCや高速ネットワークを必要とするゲーム開発環境を自宅で再現するのは容易ではありません。
総務では、社員が創作に没頭する場を『工房』にたとえ、PCやタブレットを"作品を生み出すための職人の道具"と捉えています。その道具を最大に活かせる環境を整えることが会社の使命です。創造的な仕事を支える拠点としてオフィスは不可欠である。これが当社の基本的なスタンスです。
オフィスビル選びのポイント
拠点選定の検討では、まず候補物件のリストを作成し、条件に沿って絞り込みました。ゲーム開発に不可欠な電源容量やネットワーク設備は、既存ビルでは増強に限界があるケースも少なくありません。新築であればインフラ設計のみならず、空間レイアウト(内部階段等の設置計画)から関与でき、柔軟に構築できるメリットがありました。
候補地についても、当初から渋谷を第一候補としていたわけではありません。新宿や品川など複数のエリアを対象に、賃料や社員の居住地、そして設計の自由度などを比較しながら現実的な検討を重ねてきました。
設備条件と面積を総合的に評価した結果、渋谷が有力な候補として浮上。IT企業が集積し、ゲーム業界との親和性が高いエリア特性も後押しとなり、最終的に渋谷サクラステージ SHIBUYAタワーが最適という結論に至りました。
創造の連鎖を生むPITとGarden
新オフィスの設計には、社員の働き方を支える仕掛けを随所に取り入れています。その象徴が「PIT」と呼ぶ休憩スペースです。社員をレーシングカーになぞらえ、休息や気分転換のために"ピットイン"する場所として設けました。ここには、同僚と語らえる「Active」と、一人で静かに過ごせる「Quiet」の2タイプを用意し、デスクを離れて心身を整える場として機能しています。
さらに9階には、外部の方とも共創できるクロッシングゾーン「Garden」を設置しました。人が行き交う渋谷のスクランブル交差点に見立てたこのエリアは、緑豊かな公園のような雰囲気の中で執務や交流が可能な空間です。
エリア内には、自社の魅力を発信するライブラリーや展示スペースも設けており、社内外の感性が交差する拠点となっています。
オフィス環境の改善は重要な経営課題
当社にとってオフィスは、単なる働く場所ではありません。事業を支える拠点であり、社員同士がコミュニケーションを通じて新しい価値を生み出す場です。
特にクリエイティブな仕事では、偶発的な会話や対面での議論から新しいアイデアが生まれることが少なくありません。こうした相互作用を促す場として、オフィスは非常に重要だと考えています。
そのため、環境の整備は単に施設の管理ではなく、会社の成長に直結する重要な経営課題と位置づけています。総務部を中心に、経営方針と現場の声を踏まえながら改善を進めており、さらに社員の働き方や事業の変化に合わせて、継続的にアップデートしていく方針です。

1.Entrance
エンターテイメント業界のリーディングカンパニーとしての"らしさ"を強く打ち出しているのが8階のエントランスです。
来訪者が最初に目にするのは、漆黒のエレベーターホールの先に浮かび上がる"SQUARE ENIX"のロゴマークを配した発光サイン。
近寄るにつれ、そのバックライトの眩しさに思わず目を細めるほどですが、この強い光には、歴史的な傑作ゲームを世に送り出してきた当社ならではの意図があります。
「面白い」という言葉の語源には、"目の前が真っ白になるほどの衝撃"という意味があり、「面白いものを作り続ける会社でありたい」という思いを、この発光サインで表現しているのだそうです。
さらにフロア内には展示コーナーを設け、SNS文化の広がりを前向きに捉え、数々のキャラクターと写真撮影ができる仕掛けも用意しました。こうしたユニークで時代性を踏まえた空間づくりが来訪者の体験価値とブランディング効果を高め、企業の姿勢を体験できるエリアとして機能しています。
2. Office area
執務エリアは、開発フロア(電源増強したフロア)とそれ以外のフロアとでデスク形状が異なります。開発フロアは、ゲーム開発に最適なゾーニングが計画されています。特に開発フロアでは業務特性に応じた環境づくりを徹底。最大の特徴は、「静(Quiet)」と「動(Active)」を明確に分離した構成です。Quiet側には、ゲームの色味を精緻に確認する作業など高い没入感が求められる業務に向け、暗幕室のような集中環境を整備。
一方のActive側には、多目的交流スペース「タウンホール」を配置し、YouTube配信などチーム間のシームレスなコミュニケーションを促します。
運用面では固定席を主軸としつつ、窓際一帯を自由に働けるABWゾーンとして開放。ビデオ会議に対応した高遮音性間仕切りやホワイトボード、飾り棚など多様な機能も備えています。
3. Lounge&Garden
社員の憩いの場であるラウンジには特別な想いが込められています。新宿オフィスで親しまれた社員食堂「Lounge」の名を継承し、渋谷にそのまま「転生」。その居心地の良さから人気スペースとなっております。また、ラウンジ向かいには、自然と一体化したような開放感を与えるコミュニケーションスペース「Garden」が。伝統を受け継ぎつつ進化したLounge&Gardenエリアは、部門を超えた交流を支える重要な拠点です。
4. Conference room
機密情報の保護を最優先する事業の特性に合わせ、会議室はクローズドな個室をメインに配置しています。セキュリティの観点から個室ニーズは非常に高く、一部のオープン型スペースと使い分ける構成としています。運用面では、顔認証付きの予約システムを導入。「空予約」を防止し、スペースの有効活用を徹底しています。また、9階の応接室はガラスパーテーションで開放感を出しつつ、特殊なフィルム加工を施して外部からモニター画面の視認を遮断。意匠性と強固なセキュリティを高度に両立させた設えとなっています。
5. Concentrated booth
働き方の多様化に伴い、周囲の視線や音を遮り業務に没頭できる環境を重点的に整備しました。各フロアには一人Web会議が可能な「フォンブース」を配置。会議室同様、顔認証付き予約システムにより、事前予約だけでなく、空き状況に応じた即時利用も可能で、隙間時間の有効活用を促進します。さらに各所へ「半個室型」ワークスペースも配備。業務内容や気分に合わせて最適な場所を選択でき、個々のパフォーマンスを最大化する空間となっています。
6. Presentation room
約40名収容可能なプレゼンテーションルームでは、4Kの大型プロジェクターと7.1chの音響設備を完備し、高品質な映像と音響で最新ゲームの発表会や、プロモーション映像のレビュー会などをおこなうことができます。
また、優れた防音性能を活かし、業務時間外には社内サークルの楽器練習の場としても開放しています。