株式会社ニチベイパーツは、機能性フィルムや両面テープ、絶縁材などの高機能素材の専門加工メーカー。同社は旧本社ビルの老朽化を契機として、創業70周年を迎える節目の年となる2026年に先駆け、2025年12月に東西線・木場駅から徒歩1分の『ヒューリック木場ビル』へ本社を移転しました。今回の移転は、単なる建物更新にとどまらず、次の時代へ踏み出すための重要な転換点でもあります。これまで築いてきた歴史を礎に、将来を見据えた組織づくりを進めるうえで、「新しい本社で未来を描く」という選択は、象徴的な意味を持ちます。働きやすさやコミュニケーションの質を高める空間づくりを通じて、社員一人ひとりが力を発揮できる環境を整備。今回は、オフィス移転プロジェクトを支えた管理部門の皆さんに、新オフィスに込めた思いや、背景にある考え方についてお話を伺いました。

心地よく働ける、社員ファーストな空間を目指して
新オフィスで目指したもの
移転にあたり、まず大切にしたのは「フラットでコミュニケーションが活発になる職場づくり」です。以前のオフィスはフロアごとに部署が分かれており、管理部門は3階に単独で配置されていました。そうしたことから他部署との距離が生まれ、相談や確認にひと手間かかってしまう場面が多々あったのです。そのため、新オフィスでは"全員が同じ空間で働けること"を重視し、ワンフロアで全社員が見渡せるレイアウトを実現。これにより、移転後わずか5カ月ながら「仕事がしやすくなった」という声が多く聞かれ、コミュニケーションの質が明らかに変わっています。
また、立地の選定においても「社員の通勤負担を増やさないこと」を最優先に考えました。旧本社が西葛西にあり、社員の多くが東西線を利用していたため、新オフィスも東西線沿線で探すことになったのです。そのうえで、「駅から近いこと」「ワンフロアで、全員が収まる広さがあること」を条件に複数物件を比較し、最終的に現在の『ヒューリック木場ビル』が最もバランスが良いと判断して決めました。
出社したくなるオフィスに
もう一つの大きなテーマが「出社したくなるオフィス」です。旧オフィスは設備の古さが目立ち、特に女性社員からは改善を求める声が多く、働く環境として十分とは言えませんでした。
そこで新オフィスでは、清潔感のある設備に加え、リフレッシュスペースや仮眠・集中ブースを設けたことで、社員の働き方や気持ちにも大きな変化が生まれました。以前は休憩がとりにくい状況でしたが、今は気軽にリセットできる場所ができたことで、昼休みには自然と人が集まるようになっています。こうした小さな余白が、オンとオフを切り替えやすくし、仕事への集中力や前向きな気持ちにつながっていると感じています。
レイアウトの工夫とオフィスの意義
レイアウトでは「全員の顔が見える配置」を重視し、思い立ったときにすぐ打ち合わせができるミーティングスペースを設けました。エントランスにはコーポレートカラーを取り入れ、将来的な製品展示も見据えたデザインにしています。デスクは横長のオープンタイプに変更し、1人あたりの作業スペースを広げました。フリーアドレス化も検討しましたが、現時点では部署ごとの固定席を維持し、社員の安心感を優先しています。
また、コロナ禍を経て、私たちはオフィスの存在意義を改めて実感しました。リモートでは補いきれない対面での相談や議論、製造業として実物を見て判断する場面など、出社してこそ生まれる価値があります。
私たちにとってオフィスは、単なる作業場所ではなく、当社が掲げる「Mission・Vision・Value」を実現するために社員が集い、新しい価値を生み出す"会社の基地"です。今回の移転は、その環境づくりを大きく前進させるものと確信しています。

1.Entrance
エントランスは、企業の姿勢を空間で物語る"コミュニケーション装置"でもあります。多くの企業では歴史や製品を展示することで、積み重ねてきた価値と、これから向かう方向性を来訪者と社員の双方に伝える役割を果たしています。
ニチベイパーツでも、カーペットや壁面にコーポレートカラーを部分的に用いて当社らしさを打ち出しつつ、将来的にはコーポレートヒストリーパネルや製品サンプルなどの展示をおこない、来訪者へ会社の世界観を伝える場とするべく準備中です。
2.Work Area
執務エリアにはパーテーションを設けず、部門間のコミュニケーションが自然と生まれる開放的なレイアウトとしています。「開放感のあるオフィス」は今回の移転における最も大きなポイントのひとつであり、ワンフロアに営業・技術・品質管理・管理部門が同居する構成を実現しました。
各部門にはそれぞれ希望する位置や動線があり、また部門ごとに人数規模も異なるため、どの配置が最も合理的に業務を進められるかについては慎重に検討を重ねました。さらに、前オフィスとの大きな違いとして、セキュリティレベルの大幅な向上が挙げられます。エントランス以外のエリアへはカードキーがなければ入れない仕様とし、情報管理と安全性を確保しています。
3.Meeting Space
オフィスの西側には誰もが自由に使えるミーティングスペースを設け、可動式のテーブルやファミレス席などを完備しています。特に、ファミレス席は適度な囲われ感があり、短時間の相談や非公式な打ち合わせがしやすい点が特長です。執務エリアの中に軽い打ち合わせやすり合わせ、確認作業などができるミーティングスペースを設けたことで、業務を進める上でのスピード感が格段に向上しました。
4.Refreshment Space
執務エリアの境界にはシェルフを配置し、空間をゆるやかに区分しながら視界を遮らない設計としています。これにより、リフレッシュスペースでありながら執務エリアとの一体感を保ち、自然な動線が生まれています。
このスペースは休憩だけでなく、軽い打ち合わせや確認作業などを気軽に行える多目的エリアとして活用されています。業務の合間に気分を切り替えたり、短時間のコミュニケーションを取ったりする場として、社員が自由に使える環境です。また、各テーブルにはお菓子を置き、リラックスしやすい雰囲気づくりにも配慮しています。
5.Rest & Nap Booths
一般的に「個室ブース」というと、防音・遮音性の高いWEBミーティング用のスペースなどを連想しますが、ニチベイパーツでは休憩や短時間の仮眠を目的としたスペースとして3ブース設置されています。
短い仮眠が集中力の回復や生産性向上に効果的であることは科学的にも示されており、同社ではこれを働く人のパフォーマンスを高める"積極的な休息の場"として活用しています。昼休憩には常に満席になるほど利用が多く、もはや社員にとって欠かせないスペースとなっています。