海外赴任に向けた内示が増える6月。多くの方が、「英語の学び直し」に奔走する季節です。しかし、実際のビジネス現場で求められるのは、完璧な文法よりも "誤解なく伝えること" です。
ところが、日本人特有の"文法英語"をそのまま英語に持ち込むと、文法的には正しくても、現地では「ぶっきらぼう」、「自信がない」、「距離を置いている」などと受け取られてしまうケースが少なくありません。
そこで今回は、海外赴任者が特に気をつけたい4つの英語表現を取り上げて、なぜビジネスでは不適切に聞こえるのか、そしてどう言い換えれば自然に響くのかを解説します。
1.I'm fine. 私は大丈夫です/問題ありません
挨拶で "How are you?" と聞かれたとき、
日本語の「元気です」、「大丈夫です」に近い感覚で "I'm fine." と返してしまう人は多いでしょう。しかし英語では "fine" は「普通」「特に良くも悪くもない」という温度の低い返答で、ビジネスの場ではどこか事務的で距離を置いているように受け取られます。より自然で社交的な印象を与えるには、次のような表現が適しています。
I'm doing well, thank you.
「順調にやっています」という前向きなニュアンス。丁寧でビジネス向き
「順調にやっています」という前向きなニュアンス。丁寧でビジネス向き
I'm good, thank you.
カジュアル寄りですが、明るく自然な印象を与える返答
カジュアル寄りですが、明るく自然な印象を与える返答
2.I'm sorry, but... 申し訳ありませんが...
"I'm sorry, but..." は本来、「謝罪+これから言う内容への前置き」を表します。そのため、英語では 相手に迷惑をかけるときや、悪い知らせを伝えるとき に使われます。一方、日本語でも、「すみませんが〜」は依頼の前置きとして使われますが、その感覚で "I'm sorry, but..." と話を切り出すと、相手を身構えさせることにもなり兼ねません。
単なる依頼の場合は、次のような表現で始めれば「申し訳ありませんが...」と言ったニュアンスが伝わります。
Could you please...?
Would you mind...?
ただし、相手の手間を増やす依頼や、作業を中断させてしまう場合には、"I'm sorry, but..." を使うほうが気持ちが伝わります。Would you mind...?
3.Please check it. これを確認してください
"Please" が付いているから丁寧だと思いがちですが、命令形に "please" を添えても命令は命令です。メールで "Please check it." と送ると、相手によっては「これ確認しといて」とぶっきらぼうに聞こえることがあります。ビジネスでは、相手の時間や状況に配慮した言い方が好まれます。
Could you take a look when you have a moment.
お手すきのときにご確認ください
お手すきのときにご確認ください
Could you take a look at this?
こちらをご確認いただけますか
こちらをご確認いただけますか
4.I will try. やってみます
日本語の「やってみます」は前向きな姿勢を示す便利な表現ですが、英語の "I will l try." は「やってみますが、できるかどうかは分かりません」という 結果へのコミットが弱い表現 になります。ビジネスでは曖昧で頼りない印象を与えてしまうこともあります。状況に応じて、より具体的で責任感のある表現に置き換えると信頼感が増します。
I will do my best.
「最善を尽くします」という努力の宣言
「最善を尽くします」という努力の宣言
I will handle it.
「対応します」という主体的で責任を示す言い方
「対応します」という主体的で責任を示す言い方
POINT
海外で大切なのは、完璧な英語よりも 誤解なく、敬意を持って伝える姿勢 です。曖昧な表現は英語圏では 意図が伝わりにくく、場合によっては責任を曖昧にしているように受け取られることもあります。できること・できないこと・期限を明確に伝えることが信頼につながります。文法の細かなミスよりも、意味が変わってしまう表現だけ注意すれば十分です。
また、コミュニケーションの質を大きく左右するのが聞き返す勇気です。"Could you say that again" や "Just to confirm..." といった確認表現を使うだけで、誤解を防ぎ、やり取りの精度が格段に上がります。
