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ワークスタイル・ラボ

連日のように「ガバナンス」という言葉を見聞きするようになった昨今。「意思の疎通」という言葉では括り切れないコミュニケーション問題に多くの企業が関心を寄せています。こうしたなか、より良いエンゲージメント構築の施策として『個性的なオフィス』を志向する動きが広がっています。
自由闊達なコミュニケーションが生まれるようワークスペースの中心にカフェを設けたり、必要に応じて自在なオフィスレイアウトができる移動間仕切を設置するなど、居心地の良さや使い勝手の良さを追求しています。さらに2025年からのオフィスは、これまで以上に「働きやすさ」が求められると同時に、個々の社員が委縮せずに自分の意見を主張できる「心理的安全性」の確保が重要視されると言われています。

オフィスの心理的安全性とは

オフィスの心理的安全性とは、対立や非難を恐れずに組織の中で自分の意見や気持ちを発言したり行動できる環境のことを言います。社員が物怖じせず仕事ができるようになれば、企業には多くの利点がもたらされます。
自分の考えを恐れることなく共有できる環境では、新しい発想や創造的な解決策が生まれやすくなり、相互信頼とサポートが強化されチームワークが向上します。当然ながら、チームのメンバーが協力し合える環境では業務の効率化がもたらされ、結果として生産性の向上に繋がる好循環が生まれます。
さらに、問題解決の効率化も心理的安全性のメリットの1つです。社員が問題を早期に報告できる環境であれば、迅速に対策が講じられトラブルの拡大を防ぐことができます。
このように、心理的安全性が確保されたオフィス環境は、企業にとって多くの利益をもたらし、持続的な成長と発展に寄与するものと考えられています。

心理的安全性確保のハードル

心理的安全性を高めるためには、既存の企業文化を変える必要があります。キープレスのメンタルヘルスでお馴染みの大野萌子さんによると、実はこれが非常に難しい課題で、権威主義的な文化が根付いている場合は心理的安全性を確保すること自体が容易でなく、まず、リーダーの意識改革(リーダー研修等)が必要になることが多いとおっしゃいます。
さらに、心理的安全性が確保された職場ではオープンなコミュニケーションが期待されますが、全ての意見を平等に扱うことは難しく、意思決定が遅れることがあります。また、個々が過度に自己主張するようになれば対立が増えるリスクがありますし、全員の意見を尊重しようとすれば逆に混乱を招くことにもなり兼ねません。
加えて、心理的安全性を導入・維持するために、専門家に研修の依頼をすればコストと時間がかかるため、導入過程でフラストレーションを感じる(或いは途中で頓挫してしまう)ケースもあるようです。
以上のように、「取り組みが期待通りに進まないケースもある」ことを理解して、慎重に計画を立て、一過性の取り組みで終わらぬよう継続的なコミュニケーションや社員へのフィードバックが必要になります。

それでも心理的安全性が求められる理由

越えるべきハードルがある一方、オフィスに心理的安全性が保たれるメリットは非常に大きく、取り組む価値があります。
とくに企業の在り方が問われている今の時代、持続的に成長するためには、オフィスの心理的安全性は欠かせません。そしてこれにより、変化に柔軟に対応できる力と競争力を身に着け、それを維持することは成長のエンジンになるはずです。
心理的安全性の高い組織・チームづくりは専門家のアドバイスを受けながらおこなうことが一般的ですが、職場の雰囲気は日ごろのリーダーの心がけ次第でも随分変わります。その方法について一般社団法人日本能率協会は下記のように説明しています。「オフィスの心理的安全性」をお考えなら、専門家に相談する前に、まずこちらを実施してみてはいかがでしょう。

●相手を承認・尊重する

心理的安全性の高いチームを作るには、相手を尊重しながらも自分の要望や気持ちを伝える必要があります。とくに近年、リーダーに求められているのが対話型マネジメントです。対話型マネジメントでは、仕事の目的を自分の言葉でメンバーに伝えたりメンバーが自律的に業務を行ったりできるように支援します。

●相手に感謝の姿勢を示す

仕事の取り組み方やチームへの貢献など、メンバーに対して感謝の気持ちを伝えることも重要です。部下は「認められている」「貢献できている」と感じやすくなり、仕事へのモチベーションにつながります。

●話しやすい雰囲気・機会の創出

リーダーが率先して話しやすい雰囲気を作ることも重要です。相談しやすい雰囲気があれば、コミュニケーションは活発になります。また、誰もが自由に発言できる環境(朝礼など)を整えることも必要です。

●ポジティブな言葉を意識する

問題発生時にリーダーは愚痴や不満は控え、前向きな意見や行動が大事です。リーダーがポジティブな言葉を発すれば、メンバーも前向きな意見を述べたり行動したりできるようになるもの。その逆も然りです。
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■記事公開日:2025/02/25
▼構成=編集部 ▼文=吉村高廣 ▼画像素材=Adobe Stock

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