
北海道の玄関口として発展してきた札幌市の中心が劇的に変わり始めています。
JR札幌駅周辺では南口・北口の双方で再開発が進み、新たなオフィスや複合施設が次々と誕生。大通エリアでも高機能オフィスやコワーキングスペース、インキュベーション施設など、企業や新たなビジネスを支える都市機能が加わっています。
さらに、すすきのやバスセンター前周辺にも変化が広がり、これまでの札幌都心の中心軸から東側へと、新たな都市機能や人の流れが広がりつつあります。既存のビジネス環境を生かしながら、新たなオフィスや都市機能を取り込む札幌。その変化は、都心で働く人や企業の選択肢にも広がりをもたらしています。
2021年11月に札幌市を取材した際にも、札幌駅南口はJRタワーや大丸札幌店などが集まる北海道の玄関口としての存在感を見せていました。それから約5年。現在の駅周辺を歩いてみると、当時から続く商業・業務機能に加え、街の姿を大きく変える再開発が進んでいることが分かります。
その1つが駅前の北4西3地区です。約200mの超高層複合ビル(仮称)SAPPORO N4 TOWERが計画され、オフィス、商業、宿泊などの機能が整備されます。一方、札幌駅前通ではTHE VILLAGE SAPPORO(いちご若草札幌ビル)が2026年4月に竣工し、5月には北海道初となるWeWorkも開業しました。ともに、地下1階のチ・カ・ホ(駅前通地下広場)直結の立地を生かし、スタートアップや大企業などが交流する新たなビジネス拠点となると目されています。
かつては南口に比べて殺風景な印象が強かったJR札幌駅北口。その風景に変化をもたらしたのが、北8西1地区の再開発です。2023年に誕生した複合施設さつきた8・1には、オフィス、商業、ホテル、住居といった多彩な都市機能が凝縮され、駅の北側に新たな人の流れを生み出しました。
前回取材時(2021年11月)には、基礎工事がスタートしたばかりで、荒涼とした土地に重機が行き交う殺伐としたエリアでしたが、北口のランドマークとなるさつきた8・1の完成は、周辺地域を新たなビジネス・生活拠点へと変える契機になりました。駅前の風景が変わっただけでなく、オフィスや商業のほか多彩な機能が集まることで、北口周辺に広がる都市機能の充実を実感できるエリアへと変化しています。
札幌の都心を代表する大通駅周辺は、行政や金融、企業のオフィスが集まるビジネス街でありながら、大通公園の豊かな自然や商業施設の利便性も兼ね備えた、賑わいあふれるエリアです。現在、この大通エリアでは未来に向けた都市化が急ピッチで進んでいます。
2026年6月には、コワーキングスペース等を取り込んだアーバンネット札幌リンクタワーが竣工。さらに、2027年4月にはオフィス・商業・ホテルからなる札幌ダイビル再開発プロジェクト、そして2029年8月には大型複合ビルSAPPORO ONEの完成が控えています。
既存の洗練された都市機能に、これら最先端のビジネス拠点やグローバル基準のライフスタイル提案が次々と加わることで、大通エリアの魅力はさらに多層化していくと思われます。新たなイノベーションを生み出し、多様な人々を引きつけるエリアとして、札幌の中心地は今、「劇的な進化の真っ只中にある」そんな印象を強く受けました。
札幌を代表する"夜の繁華街"として、多くの飲食店やエンターテインメント施設が集まるすすきの。現在はビジネス、商業、宿泊などの機能が充実し、昼間から多くの人が行き交う街へと変化しています。
その変化を象徴するのが、2023年に開業したCOCONO SUSUKINOです。旧ススキノラフィラ跡地に誕生した複合施設で、商業、飲食、ホテル、シネマコンプレックスなどを整備。すすきのに新たな人の流れを生み出す拠点となっています。また、大通、すすきののオフィスエリアを結ぶ路面電車のネットワークも大きな特徴です。札幌の中心部を行き来しやすく、仕事と日常の利便性を両立しやすい環境が整っており、多様な企業や人が集まる札幌都心の一角として新たな役割を担い始めています。