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ビジネスエリア特集 Vol.15 東京都立川市

基地の街から先進的なビジネスエリアへ
進化が止まらない!多摩地区のキータウン

発展し続ける"多摩地区随一"のビジネスタウン

立川市は東京都のほぼ中央にある人口約18万人の都市です。1980年頃から米軍基地返還後の再開発が進み、JR立川駅北口周辺には有名百貨店をはじめ、数多くの飲食スポットが集積。区画整備されたビジネス街区の誕生や、都や国の行政機関が移転するなど、"多摩地区で一人勝ち"と言われるビジネスエリアへと発展を遂げてきました。
また、街の玄関口となるJR立川駅は、中央線、南武線、青梅線、五日市線が乗り入れるターミナル駅。さらに、2000年の多摩モノレールの開業によって南北交通の利便性が向上。その利便性を活かして、多くのビジネスマンや買い物客で賑わう市街地を形成しています。
 国際競争力の一翼を担う関西圏最大の経済都市

アートに満ちたビジネス街区 【駅北口エリア】

JR立川駅北口の基地跡地に誕生したビジネス街区「ファーレ立川」。このエリアの再開発は"新しい文化の街"を誕生させることを目指して街づくりの計画が立てられました。都心に本社を置く企業の多摩地区における事業拠点として、また、沿線の先端産業の業務拠点として利用される他、都市型ホテルなどが事業を行い、先進的な街区が形成されています。

ファーレ立川の街区を歩くと、至るところにパブリックアートがあることに気づきます。その数なんと109点。アートの多くは車止めやベンチ、ビルの換気口などの機能を持ち、オフィスビルの合間を縫うようにして設置されています。立川市総合政策部広報課によると、『基地の街から文化の街へ』を標榜する立川市の、「アートを街の文化の礎にしよう」というコンセプトの具現化の一つになっているそうです。

ビジネスとアートを融合させた"新しいビジネス街の景観"の実現を目指して、ファーレ立川では、街区の統一感を壊さぬよう、オフィスビルのデザインや色合いにまで共通性を持たせています。またそれに伴い、周辺地域もとてもお洒落なエリアへと変貌。立川市の更なる発展を期待させる象徴的なビジネスエリアともなっています。

ビジネスと芸術文化の交差点 【駅南口エリア】

先進的な街づくりが成される北口エリアとは趣の異なる南口エリアは、市の土地区画整理事業に合わせて、都市機能の拡充を図るため、1999年に駅と接続した大型商業施設が完成しました。これが起爆剤となり、駅周辺の整備と活性化が急進。個性的な店舗が立ち並ぶ、活気に満ちた商業街が形成されています。

現在、立川市の市庁舎(泉町)や、国の合同庁舎(緑町)は駅北口に点在していますが、かつては駅南口、立川市錦町周辺に密集していたそうです。したがってこの地区周辺は、かつての行政街区の風情を残し、駅前一帯の活気に満ちた商業街とは印象が大きく異なります。北口の計画街区「ファーレ立川」周辺のような統一感や斬新性は見られないものの、中小規模のオフィスビルが建ち並ぶビジネス街となっています。

またこのエリアは、文化施設の集積地でもあります。2014年に大規模改修した「たましんRISURUホール」(立川市市民会館)は、本格的なピアノリサイタルやクラシックコンサート、歌舞伎やオペラなどが行える多目的なイベントホールです。さらに、旧立川市庁舎を改修した「立川市子ども未来センター」は子育て、教育や文化芸術活動などを支援。センター内の「立川まんがぱーく」は、サブカルチャーを発信する拠点として地域振興に貢献するなど、関連した新しいビジネスの興隆が期待されています。

活況源となった基地跡地の再開発


2014年4月、世界的な家具チェーンのIKEAが国内7番目の店舗として立川市緑町にオープンしました。IKEAは郊外型の巨大店舗として知られており、東京都内では立川店(総敷地面積26,000平方メートル)が初の出店となります。さらにこの周辺には、都内では最大規模となる148.7haの面積を誇る国営昭和記念公園が市民の憩いの場として広がっています。

これらは皆、1977年に米軍より全面返還された立川基地の跡地に建設・整備されました。基地返還後は、西・中央・東という3つのエリアに分割され開発が進捗。西エリアには国営昭和記念公園が、中央エリアには立川広域防災基地が建設・整備され、首都圏に大災害が発生した場合に備えて内閣府、国土交通省、消防庁、警視庁、陸上自衛隊などの施設が。そして東エリアは市の行政施設や民間のオフィスビル、商業施設などが立地しています。

新しい街区の再開発は現在も続いており、その様子を多摩モノレールから垣間見ることができます。計画地は、国営昭和記念公園に隣り合った約39,000平方メートルの「みどり地区」。大規模商業施設やオフィスビルに加え、ホテルや大規模ホールを内包した複合開発プロジェクトで、拠点性を持ったビジネスエリアへと発展してゆくことは間違いないでしょう。立川市総合政策部広報課によれば、これが立川市最後の大規模再開発になるとのことです。

ビジネスの活況を裏付ける滞在人口

会社経営がそうであるように、街も"顧客"が少なければ生彩を欠きます。当然ながら生彩を欠いた街をビジネスの拠点とするのは、事業者(とくに飲食や小売り、サービス業)にとっては冒険になるでしょう。ここで言う"顧客"とは、その街に外部から訪れる人々の「滞在人口(特定の場所に2時間以上滞留している人口)」のこと。多くの自治体では、あの手この手で街の顧客開拓に努めているわけですが、なかなか成果を挙げられないのが現実のようです。

立川市の滞在人口率は、平日・休日ともに、定住人口約18万人の約2.5倍。これは多摩地区26都市では断トツの1位で、ビジネスにショッピングにと、いかに多くの人々が訪れているかを表しています。また立川市は、近隣都市と比較してアルバイトの求人件数が格段に多い街で、お隣の国立市が522件、国分寺市が1047件であるのに対して、立川市は北口駅前を中心に2603件(2017年3月・タウンワーク)もの求人数がありました。滞在人口の多さとビジネスの活況は比例する。これは経済の原則です。立川市はまさに、それを体現したビジネスエリアと言えるでしょう。

取材後記

立川市は飲食料品小売業の割合が最も高く、事業所数も全業態のうち20%超。至るところに個性的な飲食店がひしめいているビジネスマンに嬉しいランチ天国です。バリエーションも豊富で、都心に本店を構える有名店はもとより、コストパフォーマンスに優れたB級グルメの名店まで、昼時のビジネスマンは食べたいものが選り取り見取り。しかもその数は年々増加傾向にあると言います。それだけに、グルメサイトで紹介されるお店でも、行列待ちを強いられることがありませんでした。

飲食業であれ、他の業種であれ、立川市には、新しい人やビジネスなど「なんでも受け入れよう」という風土があり、事業を興してチャレンジしやすい土地柄でもあるのではないか、と立川市総合政策部広報課は分析します。歴史的に見ても、基地返還前から「一山当てよう」という商魂逞しい人が他方から集い、この街は形成されてきたと言います。そうしたボトムがあって立川市は、「何かがある街」ではなく「なんでもある街」へと進化してきたのです。人が集い交流してこそ街は活力を持ち、新しい"何か"が生まれます。立川市はこの先、より一層注目のビジネスエリアとなりそうです。

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■記事公開日:2018/02/23 ■記事取材日: 2018/01/31 *記事内容は取材当日の情報です
▼構成=編集部 ▼文=編集部ライター・吉村高廣 ▼撮影=吉村高廣 ▼イラスト地図=KAME HOUSE ▼取材協力・写真提供=立川市

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