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ビジネスエリア特集 Vol.16 さいたま市大宮区

さいたま市随一のビジネスエリアであり
東日本各地を結ぶキーステーションでもある

交通の利便性を強みに東日本の中枢都市へ

大宮区は、さいたま市の中央部に位置し、中心には全国有数のターミナル駅と、県内随一の商業エリア・オフィスエリアを擁する首都圏の中核都市です。大宮駅は新幹線6路線が乗り入れる鉄道交通の結節点となっている他、都心へのアクセスも良好です。
また周辺には、各自動車道や首都高速道が広範囲に延びている立地環境にあることから、多様な産業の集積がみられ、広域ビジネス拠点としての強みを発揮しています。さらに、交通の利便性に伴う人材確保の優位性を背景としてオフィス需要が極めて高く、本社・支社機能が数多く立地します。また今後は、東日本エリアの玄関口として、より一層の発展が見込まれています。
 国際競争力の一翼を担う関西圏最大の経済都市

東京五輪翌年、街が変わる【駅東口エリア】

大宮駅東口エリアは、飲食や物販を営む個人商店が数多く軒を並べる商業地として、かつては大宮の賑わいを象徴する中心地でした。それには、このエリアが日本屈指の古社「氷川神社」の門前町であったという歴史的な背景があり、いまなお昭和の原風景を残す"新旧共生"のビジネスエリアとなっています。そうした反面、より高い成長の可能性を有した立地環境にありながらも、「これまでの東口街区は、広域的な商業・業務展開が遅れていた」とさいたま市は分析します。そこで現在、東口エリアでは初となる再開発事業が急ピッチで進められています。

今年(2018年)3月に着工した「大宮駅東口大門町2丁目中地区第一種市街地再開発事業」は、約半世紀にわたり大宮のシンボルであった"中央デパート"跡地(約1.4ha)を整備して"東口エリアの新しい顔"をつくるリーディングプロジェクトです。建設される複合ビルには、オフィスや商業施設をはじめ、市民会館などが入ることが計画され、竣工は東京五輪翌年の2021年度を予定しています。東口エリアを劇的に変えるであろうこの新しいランドマークの建設には、さいたま市も期待感を持って支援しているそうです。またこの再開発事業は、都市機能の再生を行うばかりでなく、大宮駅周辺の回遊性や賑わいに寄与することが目論まれており、周辺街区のビジネスシーンを刷新することにもなりそうです。

都市機能のさらなる充実と強化を【駅西口エリア】

駅西口エリアは、昭和の原風景を残した"新旧共生"の東口エリアとはまったく趣が異なり、1980年代前後からスタートした再開発事業によって形成された"自立自存"のオフィスビルが連立する都市型街区と言えるでしょう。現在は、駅前に複数の大型商業ビル(大宮そごう、アルシェ、DOM)が立地する他、イベント施設を備えた西口のシンボル「ソニックシティ」をはじめ、企業の支社が集積する業務地となっています。今でこそ賑いの絶えない西口エリアですが、再開発以前は閑散としており、滞在人口も東口の5分の1ほどだったといいます。それが今は逆転し、さいたま市を代表するビジネスエリアになっています。

再開発に伴い都市型のビジネスエリアとして著しい発展を遂げてきた西口エリアですが、今後はさらに、狭い道路の解消や駅前周辺地区を再開発(区画整理)等による「安心で安全なまちづくり」が検討されています。さいたま市によれば、"東日本の玄関口に相応しい都市機能を充実・強化"を中・長期的なビジョンに掲げ、その営みの中で顕在化してきた課題を解決してゆくそうです。実際に街を歩いてみると、国道17号線沿いには大型マンションが建設されつつありますが、国道から少し路地を入ると、古い戸建住宅が密集したエリアが広がっています。いわばこれが西口エリアの原風景です。つまり、駅前だけを見れば、一見、再開発を終え成熟したビジネス街に見える西口エリアですが、将来的にはまだまだ再開発の余地があり、企業競争力を高める"職住近接"の都市へと街ぐるみで変貌してゆくことも考えられます。

鉄道のまちから日本が誇るビジネス都市へ

1982年に大宮駅を起点とした東北・上越新幹線が開通し、その後、全国屈指のターミナル駅となった大宮駅。鉄道交通と駅構内の著しい整備に伴って、「鉄道博物館」に象徴される"鉄道のまち"から、県下随一の商業都市へ、そして首都圏の業務核都市へと発展を遂げてきました。そして2016年には、国の「首都圏広域地方計画」において、「西日本の玄関口」の品川に対し、「東日本の玄関口」として大宮が位置付けられ、多種多様なヒト、モノ、情報などが集結する対流拠点となることが期待されています。

それを具現化するものが、大宮駅グランドセントラルステーション化構想(以下:大宮GCS化構想)です。これは、"東日本の中枢都市としての競争力強化"を図るため、大宮駅周辺街区のまちづくり、交通基盤の整備及び駅機能の高度化を三位一体で進めることによって、大宮の経済的な影響力を飛躍的に向上させて、日本の誇るべきビジネス都市として地位を確立させていくことを目的とした壮大な都市構想です。

大宮GCS 化構想が実現すれば、大宮駅前周辺は大きく変貌します。東日本のハブステーションとして交通ターミナル機能の向上はもとより、周辺街区の再生や歩行者ネットワークの形成等を推進することにより、拠点性を高め、新たな都市開発を誘発する好循環を生み出して、駅周辺を軸としたビジネスの活性化と、さいたま市全体の発展のエンジンとなっていくことが見込まれます。

連携して地域事業者の稼ぐ力の向上を

大宮の「鉄道交通の結節点」という強みを生かし、新たな消費や仕事づくりにつなげ、「通過されるまち」から「降りてもらえるまち」「訪れたくなるまち」となるため、東日本の各地域・各生産者との連携により地方創生の実現を目指す「東日本連携・創生フォーラム」の取り組みが行われています。

具体的には、大宮駅周辺の大型商業施設や宿泊業者で構成される「東日本連携推進協議会」が主体となり、物産展などの「催事」や、東日本の生産者と市内の商業者を繋ぐ「チャレンジショップ」、店舗の空きスペースを活用した「軒先マルシェ」等を実施しています。こうした取り組みから、さいたま市の"市場性"や"消費地としての魅力"を商材生産者に実感してもらうとともに、発掘した魅力的な商材等と地域事業者とのマッチングを支援して、"地域事業者の稼ぐ力の向上"を図り、地域の活性化と地方創生の両立を目指しています。

また、さいたま市によると、2019年3月には、シティプロモーション、交流機能、BtoBの機能を備えた施設として「(仮称)東日本連携支援センター」が大宮駅東口駅前に開設されるそうです。センター開設後には、ビジネスセミナーやマッチング等のビジネス支援策も実施することが予定されており、新規事業を計画する事業者の方々にとっては、新たなビジネスチャンスにもなりそうです。

取材後記

2018年6月、大宮~新函館北斗間で「はやぶさ」が臨時運行されます。大宮始発の新幹線はこれまで新青森までの運行で、北海道に乗り入れるのはこれが初めてのこと。発着時刻は、大宮6時発~新函館北斗9時41分着。羽田空港までの移動時間や乗換の手間、さらには安定運行を考えれば、空の便とは違ったメリットがあり、ノンストレスな移動が実現します。
また、これまでにも記してきた通り、大宮には、新幹線6路線が乗り入れており、仙台、新潟、長野までは約1時間、盛岡、金沢まで約2時間。さらに、上野東京ラインや湘南新宿ラインを利用すれば、大宮から東京まで約20 分、新宿までは約30 分と、都内へのアクセスも便利です。

このように総括すると、鉄道交通の利便性ばかりが強調されますが、東日本をターゲットとしたビジネスを進めるならば、大宮に勝る好立地は、まず見当たりません。また取材を進める中で確信したのは、「公共交通の発展が街の活性化につながる」という経済の原則通り、"駅を軸とした街づくり"をブレることなく行ってきた結果、今の大宮があるのだろうということです。そしてそれは、魅力あるビジネスエリアの土台となって、今後ますます加速してゆくことは間違いないでしょう。

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■記事公開日:2018/05/30 ■記事取材日: 2018/05/05・07 *記事内容は取材当日の情報です
▼構成=編集部 ▼文=編集部ライター・吉村高廣 ▼撮影=吉村高廣 ▼イラスト地図=KAME HOUSE ▼取材協力=さいたま市

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