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ビジネスエリア特集 Vol.24 横浜市

開港以来、進化を止めないまち 横浜
劇的な変化を遂げた、関内・MM21・横浜駅周辺

2020年"新生・横浜"の兆しを見せた4エリアを往く

開港以来、近代文明発祥の地として日本の経済成長を底支えしてきた横浜。港湾物流を中心として国際交流を図り、独自の文化を育んできた先進性の高い都市です。
そんな横浜がさらなる進化を遂げようとしています。横浜市では、都心臨海部(山下ふ頭周辺地区、関内周辺地区、みなとみらい21地区、横浜駅周辺地区、東神奈川臨海部周辺地区)の魅力を有機的に繋げることで「世界都市YOKOHAMA」を目指す『横浜市都心臨海部再生マスタープラン』を2015年に策定。計画の目標年次である2050年(第一段階は2025年)に向けて再開発が進んでいます。そこで今回は、ビジネスにも生活にもすでに"新生・横浜"の兆しを見せる、関内周辺・みなとみらい21(MM21)、横浜駅東口・西口の4エリアを紹介します。

『横浜市都心臨海部再生マスタープラン』(横浜市)

市庁舎移転で関内のイメージが一新【関内周辺エリア】

絶えず変化し、進化を続ける横浜。そうした中で、いささか時代が進まない感があり"古き良き横浜"といった風情を残しているのが関内周辺エリアです。そんな関内にも変化と進化の波は確実に訪れています。それが横浜市庁舎の移転とその跡地の再開発です。

旧市庁舎が所在していたJR関内駅前地区は、市庁舎のほか、県庁、区庁などの行政機関が所在する横浜で最もトラディショナルなビジネス街。歴史的建造物も多いエリアです。しかしながら、築年数が経過した老朽化ビルも多く、ここ近年はビジネスホテルやマンションなど他用途への再開発がおこなわれてきました。

旧市庁舎も同様に、施設・設備の老朽化、分散した行政機能の集約、市民スペースの不足、災害対策などを理由に、2017年から新市庁舎の建設に着工。今年1月31日、地上32階、高さ約150mという大規模庁舎が竣工しました。移転は4月から段階的におこなわれ6月までにすべての行政機能を移管。1階から3階には、今回の取材でもご協力いただいた市民情報センターや、市の情勢を知る刊行物が自由に閲覧・購入できる展示スペースのほか、市民ラウンジ、レストランやカフェが設置されるなど、"お役所"のイメージとは程遠い洗練された空間で、横浜の今や歴史にアクセスできます。

かたや、"主"を失った旧市庁舎跡地は、これまでの関内のイメージを一新する34階建ての最先端複合ビルが建設されることが決まっており、今から期待が高まっています。旧市庁舎の「行政棟」は保存活用され、3階から8階には"星野リゾート"が運営する「レガシーホテル」が入り、ガイドブックには載らない地元の人が通う"穴場スポット"をホテルスタッフが案内する「地域探訪ツアー」を実施するそうです。

「議会棟」は解体して高層ビルに建て替えられます。低層階にはDeNAの運営による国内最大ビジョンを備える「ライブビューイングアリーナ」を設置。毎日異なるエンターテインメントを配信して、関内の集客力強化を狙います。10階にはオフィス、11階から14階には総合大学が入るそうです。企業名や大学名は公表されていませんが、イノベーション・オフィスとして、国内トップクラスのグローバル企業の誘致が決まっているそうです。

30年前の空き地が、先進的なビジネスエリアに【みなとみらい21】

多くの人々が、みなとみらい21を「ビジネスエリア」と認識したのは、2009年に日産自動車が銀座からこの地区に本社を移転させたタイミングだったのではないでしょうか。その当時、横浜駅周辺にある百貨店や地下商店街には歓迎ムードに満ちていて、横浜市の創業企業である日産自動車を街ぐるみで迎えるべく「おかえりなさい!」という横断幕をそこかしこで見かけた記憶があります。

それ以前のMM21は、1991年に「パシフィコ横浜」が竣工し、「世界最大級の複合MICE施設」として話題を集め、1993年には高さ日本一の「横浜ランドマークタワー」が竣工しましたが、バブル経済崩壊後の第一次平成不況が相まって、そこかしこで予定されていた開発事業がストップ。その結果、「空地だらけで何もない」という状態が長らく続き、うら寂しい印象を与えるエリアでした。

そんなMM21がいま、先進的なオフィスビルが林立するビジネスエリアとして成熟期に入ろうとしています。それは見た目の印象のみならず、エリア内の企業数は約1820社、就業人口が約11万2000人というエリアデータも裏付けています。

エリア内を往けば、京セラ、資生堂といった大企業のリサーチセンターやイノベーションセンターなどが続々と進出しているほか、2020年中には村田製作所のイノベーションセンターが、2021年にはLGグローバルのR&Dセンターの完成が予定されるなど、そうそうたる企業の研究開発機関の進出が予定されています。

またMM21はビジネスエリアであるとともに、近年、タワーマンションが数多く建設されるお洒落な住宅地としても注目を集めています。30年前の"空き地"には横浜の新しいスタイルが形成されていました。

休眠倉庫街を再開発、新しいまちづくりを【横浜駅東口エリア】

横浜駅周辺は、関東圏でも有数のショッピングタウン。ウイークデーでも毎日多くの人で賑わいます。その海側に位置する横浜駅東口エリアは、そごうやルミネといった大規模商業施設に加え、2006年に開業した商業施設「横浜ベイクォーター」の存在が、「エリアとしてのプレステージを一段上げた」ことは間違いないでしょう。

この施設は、大型の有料駐車場を有する倉庫跡地に、"ヨコハマポートサイド地区"における再開発の一環として建設されました。ヨコハマポートサイド地区とは、再開発の波から取り残され、古い休眠倉庫街の印象があった横浜駅東口エリアを、新たな土地利用にふさわしい公共施設の整備を目的とした「ヨコハマポートサイド地区計画」に準じた都市計画で、「アート&デザイン」を街づくりのテーマに、オフィス・商業施設・都市型住宅等の一体的な開発が進んできました。

横浜ベイクォーターの隣接地には、日産自動車の移転と時を同じくして竣工した超高層オフィスタワー「横浜ダイヤビルディング」があります。このオフィスビルも横浜ベイクォーター同様"ヨコハマポートサイド地区"の一環で、長らく東口のビジネスアイコンとして存在感を示してきました。また、施設の2階からは歩行者デッキ「スカイウェイ」が伸びており、ビジネスマンが闊歩する中、地元の居住者がベビーカーを押しながら往く光景に"新しい街の在り方"のようなものを感じました。

居住エリアとしても人気の高いポートサイド地区は、非常に若いファミリーが多いのが印象的です。計画的に再開発されたエリアだけに、駅近くとは思えないほど穏やかな雰囲気で、なおかつショッピングなどの利便性が高く、さらに海が近くて緑も豊富。今後さらなる人気エリアとなることは間違いなさそうです。

旺盛な消費需要に応える、横浜の中心地【横浜駅西口エリア】

横浜市の商業の中心となっているのが横浜駅西口エリアです。このエリアは、南幸地区・北幸地区・鶴屋町地区の3つに分かれており、とくに南幸地区は、横浜タカシマヤ、横浜モアーズをはじめとして、JOINUSといった大規模商業施設、横浜シェラトンホテル&タワーズ、そのほかに多くの小売店や飲食店が駅周辺に集積。昼夜問わず賑わっていて、旺盛な消費需要に応えています。

西口のビジネスエリアは、駅を起点として放射線状に広がる商業地内とほぼ共存しているため利便性に優れています。業種を問わず大小さまざまな企業がオフィスを構えていることが窺い知ることができました。

さらに、横浜駅西口ではJR東日本により「横浜駅西口駅ビル計画」が2007年に発表され、その一環として2015年から駅の改修工事に着工。そして今年、26階建ての駅前棟が竣工しました。その名も「JR横浜タワー」。新型コロナウイルスの感染拡大防止で開業が延期されたものの、この夏、ついに開業を迎え、その全貌が明らかになりました。これは西口だけのエポックメイキングのみならず、これからの横浜のさらなる進化の足掛かりになるものと目されています。

人やビジネスの流れを変える、横浜の新しい顔【JR横浜タワー】

ここ数年は、「いつ行っても工事をしていてごちゃごちゃしている」という印象の横浜駅でしたが、工事が終わり久しぶりに訪れて、「横浜駅って、こんなに広かったのか!」と、その変貌ぶりに圧倒されました。それもそのはず、横浜駅は、JR、京浜急行、東京急行・横浜高速鉄道、相模鉄道、横浜市営地下鉄と、日本一多い6路線が乗り入れるターミナル駅。「JR横浜タワー」は、そんな横浜駅西口に接続した複合商業施設。人やビジネスの流れに大きな影響を与えていて、すでに横浜の"新しい顔"とも言われています。

タワーに入っている商業施設は、ニュウマン横浜、CIAL横浜、会員制ワークスペース・ステーションスイッチ、映画館・Tジョイ横浜など、ショッピングにレジャーにビジネスにと、過不足ない充実ぶりですが、アトリウム(2階~4階)に配置された大きなラウンジソファに腰を下ろせば、そのホスピタリティの高さに大感動。さらには、屋上庭園「うみそらデッキ」からは横浜港やベイブリッジが一望できて、四季折々の自然を楽しませてくれる緑豊かなスペースが広がります。思い思いの場所で寛ぐことができるよう、ベンチやテーブル、カウンターなどが点在し、解放感に満ちた空間になっています。今後はここが、"横浜の新名所"になることは間違いないでしょう。


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■記事公開日:2020/09/02 ■記事取材日: 2020/08/24・25 *記事内容は取材当日の情報です
▼構成=編集部 ▼文=編集部ライター・吉村高廣 ▼撮影=吉村高廣
▼イラスト地図=KAME HOUSE ▼取材資料提供=横浜市市民情報センター

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