若手のための“自己キャリア”

#25 学び続けるチカラ

不確実な時代にキャリアを培う"学ぶチカラ"

かつては、就職した会社で得た知識やスキルだけで定年までなんとかやっていけるのが普通でした。ところが今、ビジネスパーソンを取り巻く環境は激変しています。AIの進化やデジタル技術の普及、さらには働き方そのものの多様化によって、数年前には想像もしなかった変化が次々に起こっています。こうした時代にキャリアを培っていくために求められるのが、「学び続けるチカラ」です。
"学び続ける"とは、単に新しい資格を取得したり、リスキリング研修を受けたりすることだけを意味するわけではありません。もちろん体系的にスキルを学び直すことは有意義ですが、より大切なのは日々の仕事や生活の中で変化を察知し、自分なりに必要な知識や技術を取り込み、試行錯誤を続ける姿勢です。

たとえば生成AIの登場によって、資料作成や情報分析などの仕事は効率化が進みました。しかし、AIに任せられる部分と人間だからこそ価値を出せる部分を見極められる人材でなければ活躍の幅を広げられません。それを見極めるためには、好奇心を持ってAIに触れ、学びながら活用していく姿勢が欠かせないのです。
また、コミュニケーションのあり方も変わりつつあります。リモートワークやオンライン会議が当たり前になったことで、「直接会えば何となく伝わる」では済まされなくなりました。自分の考えを整理して、相手に分かりやすく伝達するスキルが必要ですし、そのスキルも磨き続けることで初めて機能します。
たとえ同じ会社に勤め続けるとしても、部署やプロジェクトが変われば求められるコミュニケーションは異なります。学びを止めた瞬間に適応力が鈍り、機会を逃してしまうことにもなりかねません。

学び続けるチカラの本質は、「変化を前向きにとらえること」にあります。これまでの常識が通用しなくなる場面に直面すると、人は不安になりがちです。しかし、変化を"脅威"と感じるのではなく、"新しい成長のチャンス"と受け止められるかどうかで、キャリアの広がりは大きく異なります。そのためには「完全に理解してから動こう」と考えるのではなく、まずは手を動かし、小さく試すことが大切です。失敗を恐れずに学びのサイクルを回し続けることこそ、未来を切り拓く力につながります。
若いビジネスパーソンにとって有利なのは、学び続ける習慣を早く身につけられることです。情報収集の方法、学んだことを実践に結びつける工夫、そして振り返りによる改善。このサイクルを早くから日常化できれば、どんな職場や職種においても自分の価値を高め続けられるはずです。逆に、一度獲得した知識やスキルを更新せずにいると、気づかぬうちに時代に取り残されるリスクがあります。
これからのキャリアは、会社が敷いたレールに従うものではなく、自らの学びを通して道を切り開くものです。AIやテクノロジーの進化、社会構造の変化に対して柔軟に対応できる人こそが求められ、自らの価値を高めることができます。学び続けるチカラを磨くことは、未来の不確実性に備える最大の武器であり、キャリアの持続可能性を高める最良の方法といえるでしょう。

POINT

社会の変化は驚くほど速く、身につけた知識やスキルも、あっという間に色あせてしまいます。だからこそ、欠かせないのが「学び続けるチカラ」です。とくにAIやデジタル技術の進化はめざましく、昨日までの常識が今日には通用しなくなることもあります。そんな環境でキャリアを培うには、必要な知識を自ら吸収し、日々の業務で小さく試し、結果を振り返って改善する。その積み重ねが欠かせません。
たとえば、この1年で急速に進化を遂げているChatGPTなどの新しいツールとの付き合い方や、オンライン・対面を問わない柔軟なコミュニケーション力。これらもまた、学びを止めればすぐに時代遅れになってしまいます。一方で、学び続ける人は環境の変化にも柔軟に適応し、自分の強みを更新し続けます。大切なのは、変化を恐れるのではなく、成長の機会と捉えること。そして、小さな挑戦を重ねながら学びを止めないことです。

ビジネスライター 吉村高廣の視点

皆さんは「新しいことを学びたい」と強く感じるのは、どんな瞬間でしょうか。私の場合は、自分とは違う業種の人と会話をしたときや、テレビやラジオから流れてきた一見ささやかな情報に触れたときです。そんな小さなきっかけが、思いがけず大きな学びへの入り口になることがあります。日常のルーティンを離れて受ける刺激は、眠っていた好奇心を呼び覚まし、知識を吸収しようとする集中力を生み出します。そしてそれはやがて、新しいスキルを実践へと移す"行動力"につながります。つまり、何気ない出会いや情報であっても、意識して取り入れれば「学び続けるチカラ」を磨く機会になるのです。変化の速い今は、このような小さな学びの積み重ねこそが、大きな成長の礎になります。

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■記事公開日:2025/08/27
▼構成=編集部 ▼文=吉村高廣 ▼画像素材=Adobe Stock

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