若手ビジネスマンのための「自己キャリア」

ビジネスライター吉村高廣 若手ビジネスマンのための「自己キャリア」 #09 電話力

電話をとる直前は、口角を上げてみる

いよいよ新年度です。新入社員を迎えた企業さまもあるでしょうし、新社会人となったフレッシュマンもきっと大勢いることでしょう。そこで今回のスペシャルコンテンツは、仕事の基本となる"電話応対"について考えてみたいと思います。 上司が口にする「電話が鳴っても誰もでんわ」というダジャレ。若い方にしてみれば、開いた口がふさがらないほどつまらないものに違いありません。でもこの言葉には、仕事に向かう姿勢への揶揄や諦めの気持ちが含まれているのです。電話が鳴っても見向きもしない若い人が増えているといいますが、ひと昔前ならそんな人には上司の怒声が飛んだはず。他のことは如才なくこなせても、「電話をとるのは若手の仕事」という教えの中で育った人たちからは、間違いなく"残念な若手社員"の烙印を押されてしまうはずです。

なぜ電話応対の良し悪しが問題になるのか。それは電話応対が"会社の顔"になるからです。たとえば、電子機器などのトラブルでサポートセンターに問い合わせをした場合、相手の電話応対次第でその会社に対する信頼度は大きく変わります。 呼び出しのコールを何度聞いてもつながらず、そのうえ電話に出た人の応対まで悪ければ、その会社に対する印象は悪くなります。逆に、速やかに電話がつながり、快い応対をしてくれれば会社の株も上がります。もちろんサポートセンターは外部に業務委託している場合がほとんどで、直接的にはその会社とは関係ないことは分かっています。にもかかわらず、たった1本の問い合わせ電話が、大切なお客さまに不信感や嫌悪感を抱かせる結果を招いてしまうこともある。会社にとって、これほどの損失はありません。

とはいえ、相手の顔が見えない電話で良い印象を与えるのは思いのほか難しいもの。訓練と場数を踏むことが必要です。そこで、以前取材をさせていただいたコールセンターの所長さんから教えていただいた"電話力"を上げる基礎的なテクニックを1つご紹介しましょう。 電話にでるときは、いつもよりも心もち声のトーンを意図的に上げて、明るい声で話すこと。これが基本だそうです。実はこれには裏づけがあって、そもそも電話の機能には低音域の言葉をひろいにくい特性があるそうです。結果、低い声の人がぼそぼそと話すと声がこもって聞き取りにくかったり、暗い印象を与えることにもなるのだとか。声のトーンの上げ方が分からないという人は、電話にでる直前に笑顔をつくって(口角を上げて)そのまま話せば、自ずと声のトーンが上がります。もちろん、あまりにもハイテンションで話されても聞いている方は疲れてしまいますので、そのあたりのさじ加減は大事でしょう。


Point

笑顔をつくって(口角を上げて)人と接する。これは対面商売においては基本中の基本です。それが電話応対にも同じことが言えるというのは、相手の顔が見えるか否かの違いを問わず、人と接するときの心がまえということができるでしょう。表情のない人に接客されるよりも笑顔で向き合ってくれた方が好感が持てるように、声しか聞こえぬ相手であっても、ぼそぼそと暗い印象の相手と話すより、明るくハキハキとした相手の方が好感度が持てるもの。ぜひ皆さんも実践してみてください。

ビジネスライター 吉村高廣の視点

電子メールを使うのが当たり前になって、職場にかかってくる電話は大幅に減りました。にもかかわらずなぜ、最近の若手社員は電話をとろうとしないのか。おそらく2つの理由があると思います。1つは、自分の仕事じゃないと考えているから。もう1つは、電話で人と話すのに慣れていないから。端的に言えば、どちらも"意識の問題"です。こうした意識を変えない限り、その人の成長はありませんし、一人前のビジネスパーソンにはなれません。ただ、意識改革を行うためには本人の努力はもちろん、会社にもそれをサポートする責務がある。若手社員の電話力の向上は、重要な経営課題と言えるのではないでしょうか。

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■記事公開日:2017/04/26
▼構成=編集部 ▼文=編集部ライター・吉村高廣

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