若手のための“自己キャリア”

#12 自己効力感を高める

早起きしてひと汗流す"朝トレ"のすすめ

「仕事ができる人は忙しくても身体を鍛えている」ということをよく聞きます。確かに"できるビジネスマン"のイメージは"引き締まった体型"と重なりますが、彼らが身体を鍛え続ける理由は見た目だけのためではありません。トレーニングは絶好調な毎日を継続させるためのルーティンでもあるのです。
大阪教育大学がおこなった実験で、ジョギングやなわとびをした後の子どもたちに計算ドリルを課したところ、運動をせずにドリルに臨んだときよりも、運動後の方が計算スピードと正答率が高くなるという結果がでました。これは、運動をすると脳の血流が良くなり、思考力や集中力が高まるからで、とくに"朝に体を動かす"ことでより高い効果が得られたそうです。


このエビデンス(科学的根拠)を応用して、仕事の生産性を高めようという"意識高い系ビジネスマン"の取り組みが「早朝トレーニング(朝トレ)」です。ただ、無闇にやればいいわけはありません。キープレスでもお世話になったスポーツジム・クラブユニバースに所属するトレーナーによれば、朝トレの一番の目的は、副交感神経優位(リラックス)の状態から交感神経優位(アクティブ)な状態に切り替えること。いわば、仕事に向かうスイッチを入れることで、上半身よりも下半身にウエイトを置いて入念なストレッチしたり、軽めのジョギングでひと汗流す程度が良いそうです。逆に、ベンチプレスをガンガンやるようなハードなトレーニングは、ビジネスマンの朝トレには不向きだそうです。

しかしながら、ただでさえ忙しいビジネスマンが朝の時間まで有効に使おうと思えば、相当強固な目的意識と、時間をマネジメントする工夫が必要になります。こうした取り組みを途中で頓挫させずに身体と時間の両方を管理できるようになれば、仕事にも好影響を与えることは間違いありません。
目標を立てて、努力を続け、結果を出して「やればできる!」と確信する。この流れから得る自信を「自己効力感」といいます。そして自己効力感が高まれば、困難な状況に直面しても諦めにくい人格をつくると考えられています。早朝のスポーツジムに通うビジネスマンなどは、まさしくこの自己効力感に磨きをかけているのです。いかがでしょう。皆さんも早起きをして、できるビジネスマンを目指してみませんか?

POINT

新型コロナウイルスの影響で会員が激減して大きなダメージを受けたスポーツジム。大手スポーツクラブの中には、4月から6月までの第1四半期決算で前年度比で7割近くもの減収というところもあったそうです。そうした中、ジムの存続を支えてくれたのが、トレーニングを日課として早朝から汗を流すビジネスマン会員でした。朝トレはわざわざスポーツジムに行かずとも自宅でもできます。しかし、気軽にできるものほど長続きしにくいもの。「これはキャリアアップに役立つ力を高めるための授業料」と思ってジムに通ってみるのも良いかもしれません。いずれにせよ最初の壁は"早起き"です。何処でどのようなトレーニングをするかも大事ですが、まずこの壁を越えてトレーニングを習慣化させることがキャリアアップの第一歩です。

ビジネスライター 吉村高廣の視点

朝トレの効果は私自身も実感していて、しばらく取り組んだ時期があります。効果があると分かっていながらなぜ続けなかったのか。理由は、自己効力感を高める必要がなくなったからです。自己効力感は、自分自身への思い込みによって「成功のイメージ」を強く持ち、それを行動に変えてゆく、いわば"自己暗示"のような力です。私の場合は自信がついた一方で、物事に対して慎重に取り組む姿勢や危機管理といった能力が欠落してしまったのです。それを思い知る出来事を経験して、以後、自己効力感を追求することをやめました。それと同時に朝トレからも遠ざかり、みるみる"プチ肥満"へと変身しつつあります...。

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■記事公開日:2020/09/17
▼構成=編集部 ▼文=吉村高廣 ▼画像素材=PIXTA

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